後にANGELCORPSE, KERASPHORUS, REVENGEなどでも活躍したPete Helmkamp氏と、現ARES KINGDOMのChuck Keller & Mike Miller両氏の3人で80年代後期から90年代にかけて活動したUSカンザスシティのブラック・デス・メタル・レジェンド ORDER FROM CHAOSが残した3枚のフル・アルバムが、NWNから再発。アナログ盤はいずれもゲートフォルド・スリーブでポスター付き。今回は限定カラー盤で入荷しました。

こちらは1992年発表1stアルバム。オリジナル・フォーマットはカルト・レーベル Wild RagsからのCDとカセットで、アナログ盤は翌1993年にギリシャDecapitated Recordsからジャケットを変えてリリースされたの最初でした。バンドはWild Ragsと上手く言ってなかったので、Decapitatedアナログ・バージョンには「Wild Ragsによるリリースはブートだから注意しろ！」というステートメントが掲載されていましたが、後にメンバーは「Wild Ragsの権利も失効はしていたが、素人仕事のDecapitated盤LPも、我々にとってはブートだった」と発言しています。

そういった逸話もカルト性に拍車をかける、ブラック・デス・メタルの歴史に於いても大変重要な作品です。VONやNECROVOREなどと並んで、USでブラック・メタルの基礎を築いたと言ってもいいバンドだけど、EL ZINE 66号でのNWNオーナーYosuke氏の意見にも完全に同意させられる、ベスチャル系デス・ブラック・メタルのルーツとしての側面もこのアルバムはあります。角度を変えたら、初期MORBID ANGELとの共通性も見いだせる、スラッシュ土台のサタニックなデス・メタルなんだけど、ORDER FROM CHAOSはその名の通りカオスっぷりが凄まじくて、BLASPHEMYなどとは異なるノイズ感があります。OFCのこの取っ散らかり感のルーツはなんなんだろうなー、と、初めて聴いてブッ飛んだ時から不思議に思ってたけど、シンプルに考えたら、カバーもやっててロゴにも雰囲気出てる、初期VOIVODのカオス性の影響が大なんでしょうね（後追いのファンには想像しずらいかもだけど、2ndまでのVOIVODは、当時他のスラッシュ・メタルを片っ端から聴いて慣らした土台や予備知識にまったくフィットしない不協和音カオス感が凄かった）。唯一無二とはまさにこのこと、と言った感じの、カオティック・ノイズ・ブラック・デス・メタル・カルト・クラシック！！

(May.8.2024)

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