海外でも人気の高い日本のノイズ・シーンを代表するミュージシャンの一人、山ノ内純太郎氏によるゲロゲリゲゲゲが、15年の沈黙を破って発表した通算17枚目のアルバムを、なんとイタリアのF.O.A.D.が限定250枚のLPバージョンをリリース。もちろんF.O.A.D.リリースの中でも異色中の異色に違いはないですが、F.O.A.D.オーナーでCRIPPLE BASTARDSのGiulio氏はクレイジーなまでのジャパニーズ・パンク・コレクターで、アヴァンギャルドものもけっこう集めているので、Giulio氏の趣向を知っていると理解できるリリースです。しかもこのアルバムは、ドラムでex.EXECUTE / HIGH RISEのEuro氏が参加して、1985年結成時の曲を初レコーディングしたナンバーも収録していて、ジャパニーズ・アヴァンギャルド・ミュージック・マニアにはそそられるポイントが多い作品としても話題を呼んでいます。限定250枚ダーク・ブルー・ビニールです。

全体的には静寂の雰囲気漂うドローン・アンビエント・アルバムで、そこにハーシュ・ノイズやテープ・コラージュなどで時折装飾していて、過激なパフォーマンスや内容で衝撃を与えた1980〜1990年代のイメージとは違う、SUN O)))などのファンにもオススメダークな作品です。そして一番興味のそそられるEuro氏も参加しての1985年ナンバーの再録が驚きの内容で、バンド形態での録音という要因だけでは説明のつかない、まるで現代のデプレッシブ・ブラック・メタル・ナンバー状態！！絶望的な悲哀メロディーをノイジーなギターで憎悪と繊細さが入り乱れてるかのように表現しています。これはミサンセロピックなプリミティブ・ブラック・メタル・ファンにもぜひ1度聴いてもらいたいです！！

(Aug.3.2016)

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