2015年に復活を果たしたカナディアン・ブラック・メタル RITES OF THY DEGRINGOLADEの、フル・アルバムとしては4作目となる待望の2018年最新作です。もちろん今回も長年サポートしてきたNWN!からのリリース。アナログ盤はゲートフォルド・スリーブで、こちらはレギュラー・バージョンです。

SACRAMENTARY ABOLISHMENT (後のAXIS OF ADVANCE)でドラムを担当していた Paulus Kressman氏がソロ・プロジェクト的に1997年に始めたカナディアン・デス・ブラック・メタル・バンドで、後の北米デス・ブラック・メタル・ムーブメントを予見したような、黒く鈍いカオスと激烈の果てに黄昏も見え隠れする独特の冷徹鋼鉄を構築して、現役のカナディアン・デス/ブラック・メタル・ミュージシャンに大きな影響を与えました。BLASPHEMYやREVENGEなどのカナディアン・ベスチャル・デス・ブラック・メタルの原始性と、INCANTATION影響下デス・メタルから派生したリチュアル・デス・メタル・ムーブメントを結びつけるような存在でもありましたので、個人的にはリチュアル＞プリミティブなバランスの復活だとちょっと残念だな、なんて不安もありましたが、実際に聴いてそんな不安はすぐに吹っ飛びました。北米産鋼鉄らしい冷たさはもちろん維持してるけど、トータルではSepulchral Voice周辺バンドに通じる感触です。Sepulchral VoiceバンドでもスウェーデンのMetal Of Death一派じゃなくて、ジャーマン・バンドの方に近い感じ。わかるかな？違うかな？でもやっぱり、このインテリジェンスすら漂う冷たさは、カナディアン・メタルならではの血統でしょうか。とにかく、待ち望んだファンは大満足であろう復活アルバムです！！

(April.4.2018)

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