2020年に結成され、これまでにデモ/EP/ライブ・カセットをリリースしてきたイギリス・ロンドンのデス・メタル新鋭グループが、Me Saco Un Ojoから1stフル・アルバムを発表。あれよあれよという間にPeacevilleと契約までこぎつけてしまったスコットランドのパンキー・ブラック・スピード・メタル HELLRIPPERに現在参加のドラマーも在籍しています。10月に発売されたばかりながら、既に限定ホワイト・ビニールはレーベルで完売していますので、期待と注目の高まっている新人バンドの一つのようです。今回はその初回プレスの限定バージョンであるホワイト・ビニールで入荷しました。

再生してしばらくは、UNAUSSPRECHLICHEN KULTENあたりのMORBID ANGEL起源 but INCANTATION風味無しなタイプかと思って聴いてたけど、聴いてるうちにそういうのとは違う部類だと理解しました。曲はとても整然とアレンジされ、そしてそれを表現するテクニックも充分に備わっていて、所謂キャバナス・デス・メタルとも非なるダークネスです。フューネラリー・ドゥーミーな叙情性も随所に匂わしているので、カナダやポートランドなどの北米デス・メタルも思い起こさせる冷たさもありながら、オールドスクールなリフと疾走パートはターキー・デス・メタルにも通じる痛快さ。ダークネス基調の現代OSDMは作りこみ過ぎて重苦しさがどんどん増すものだ（まぁそれが狙いのバンドがほとんどだと思う）けど、このVACUOUSはオールドスクールな直接的疾走パートはタイトで、且つドゥーム・パートはタメも効いてアタックも強く、そして全編どこか美しいのがポイント。スウェーデンNECROVATIONとかをちょっと思い出したかな。HELLRIPPERのドラマーも非常に良い仕事をしています。ノルウェーOBLITERATIONなんかのファンにもオススメdeath！！

(Nov.8.2022)

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