Metal ArchivesやDiscogsといったアーカイブ・サイトでは1983年のデモしか記録の残っていないカナダ・オンタリオのメガトン級カルト・ヘヴィメタル・バンドのコンピレーション・アルバム。1986年に既にブラック・メタルをやっていた発掘音源としてマニアの間で話題となったMALHAVOCのデモをLP化したUrbain Grandier Recordsからブラック・ビニールのみの限定300枚リリースで、両面カラープリント・インサートと、当時のフライヤー・レプリカ・インサートも付属します。

その1983年デモは、イタリアのレーベルから2020年に限定100枚でビニール化され、プレス枚数の少なさから販売価格もけっこう高額だったんですが（たぶん今の円安レートでやったら1万近くなるくらい）、即完売した後もコレクターの熱狂っぷりは冷めやらず、そのレコードは今年はもう2〜3万円で取引されちゃってます。このコンピレーション・アルバムは1985年と1988年のデモも初めて公開されてB面に収録されていますが、レストアに苦労したようで、B面の1曲目でマスターに起因する音飛びもあるけど、ただまぁ、1983年デモのメガレア度から言いまして、B面の初公開デモ2種は発掘されたこと自体が奇跡のような音源らしいので、その点は目をつぶりましょう。


Tracks A1-A4 : Demo 1983
Tracks B1-B3 : Demo 1985
Tracks B4-B5 : Demo 1988


サウンドは英国由来の北米産ドゥーム・メタルといった感じで、ドロドロしたサタニックさは薄いけど、サバス影響化の80年代アメリカン・メタルらしいガリガリにヘヴィなサウンドが楽しめます。1983年デモはPENTAGRAMなどのファンにもオススメできる雰囲気。1985年デモはリフがかなりソリッドなパワー・メタル風味となってっきてるので、1988年デモではエクストリーム化に拍車が掛かるってかと思いきや、ゴリゴリにメタリック・リフのままアメリカン・ハードロック回帰してるのが予想外で面白いです。

(Nov.15.2023)

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