クソださいスラッシュ・メタルだけど大好きでしょうがないヤツが、また一つようやく初オフィシャル再発されました！！USピッツバーグのスラッシュ・メタル HOLOCROSSのことなんですが、このIRON CROSSはHOLOCROSSの前身バンドということで、1985年に本作LPを発表した後にHOLOCROSSと改名。このたびHOLOCROSSリイシュー・シリーズの一つとして、こちらもめでたく再発されました。New RenaissanceからのHOLOCROSSのLPは、真性信者ならば2ndと捉えるべきらしく、このIRON CROSSの唯一のLPこそ1stとする向きがあるようです。HOLOCROSS大好き人間を自負してた私はまだまだ勉強が足りませんでした。ファン失格です。実際、このIRON CROSS時代から、あの素晴らしい鋼鉄ファッションに身を包んでいて、聴く前から期待大、そして聴いてズッコケるという、まさにこれぞプレHOLOCROSSな作品です。

彼らは元々正統派パワー・メタルからスタートしたようで、このIRON CROSSはまだスラッシュ色は希薄です。しかも、いきなり1〜2曲目はちょっとスティーブン・パーシーみたいなVoのLAメタル風味正統派鋼鉄で、「これはダッセーHOLOCROSSより良いんじゃないか？」と一瞬期待を抱かせます。HOLOCROSSでは音楽センスがマイナス200％くらいのあのボーカルが、初期RATTやMOTLEY CRUE影響化のメリケン・マイナー・グラム鋼鉄な曲だと、けっこうちゃんと歌ってるのが驚きです。しかし曲が進むにつれて化けの皮は剥がれてきて、クライマックスと言えるアルバム・タイトル曲 Warheadでは、既にHOLOCROSSみたいなウルトラ適当歌唱法を実践しています。最終的にわかったのは、NASTY SAVAGE, JUDAS PRIEST, MOTLEY CRUEなんかが大好きだったであろう、当時の典型的な合衆国産プライベート・メタル・カルト・アルバム、ということです。

しかしこのバンド、一番大事なのは音楽性よりもその素晴らしいメタル・ファッションで、ナスティー・ロニーが凶器を持ってしまったようなHOLOCROSSの裏ジャケ写真は、ニュージャージーGENOCIDE、カナダPILEDRIVER、カナダOUTBREAKにも匹敵するほど、バカ・メタル・マニアックスを当時大興奮狂喜させたのです。HOLOCROSSでは装備が完全に凶器と化してたVoとギタリストはまだ臨戦態勢というほどまでいってないけど、ナスティー・ロニー大好き！といった感じのファッションは既にバッチリきまってて、ベーシストはニッキー・シックスみたいなファッションが既に完成しています。今回再発してくれたHeaven And Hell Recordsは人気が高い作品はわりと早く完売するので（TombstoneのDEMENTIA再発してたのか。。。これを逃していたのは不覚です）ぜひとも確実に3種確保してください！！

(March.7.2024)

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