GG ALLINと並ぶアメリカが生んだキングス・オブ・スカム・ロック、MENTORSのドラム兼シンガー 故El Duce氏の1992年に発表2ndソロ・アルバムが初ビニール化再発。オリジナル・フォーマットはカセットで、本作含めてEl Duceソロの多くの作品でギターとベースも弾いてたDr. Heathen Scum氏のレーベルから発売されていました。この作品はレコーディングもDr. Heathen Scum氏が担当して、各曲解説のライナーノートも書いてましたので（このLPにもインサートでそのライナーは復元されています）、要するにSickie Wifebeater以外のMENTORSの2人で制作したようなアルバムです。今回の再発は初期のMIDNIGHT作品などもリリースしていたOutlaw Recordingsオーナーが新たに立ち上げたレーベルからの限定200枚ナンバリング入りリリースです。

さて、El Duceの音楽性についてですが、ちょっとロックを聴いてきた程度の我々他国の人間が考察や分析するのはとても難しくて、欧米のレコード屋が演歌を解説して売るようなナンセンスな感覚に近いのかも知れません。GG Allinもそうだけど、ロック、ポップス、サイケ、カントリー、フォーク、ブルースとかを耳にして育ってきたアメリカの青年が、チャールズ・マンソンとかデビッド・ピールみたいな頭のおかしいアーティストに出会ったりすると、こういうモンスターが生まれるのかと思います。まぁEl Duceの場合はもっとハードロック・ベースなのでとっつきやすいけど、「完全にツェッペリンに影響されて作った曲」とライナーでDr. Heathen Scumが解説してるKing Of Sodomが、まるでMENTORSまんまなナンバーにしか聴こえない自分には、やはりこのアメリカン・スカム・モンスターは深すぎて偉大過ぎる！！

と、ここまで力を入れて解説した時点でおわかりのとおり、ただ自分が欲しいだけで仕入れたレコードでして、この内容を考えると、まぁ確実に売れ残るであろう枚数を入荷させてしまいました。とは言え、狂ったキャラばかり語られるEl Duceのドラミングは常に素晴らしいと思うし、Wifebeater不在でもDr. Heathen Scumのプレイはヘヴィ＆ソリッドで、El Duceの狂人ヴォーカルを見事に引き立てていて、MENTORSファン、スカム・メタル＆パンク・ファンならば聴きどころは充分にある音源です。G.A.T.E.S二ツ木氏は売上に貢献してくれるそうなので、とりあえず2枚売れたことになります（彼は同時入荷のPENTAGRAMもコレクションしてますからね！）。あと、私に昔El Duceの生写真をプレゼントしてくれた名古屋の某カルト・レーベルのオーナー氏も買ってくれることでしょう。。。

(July.5.2024)

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