日本にも熱狂的信者の多いメキシカン・ゴア・デス・メタル・グラインダーズ DISGORGEの中心メンバーで、他にも多くのバンドで活動してきた Antimo Buonnano氏が2000年代初めからやっているブラック・デス・メタル・バンド HACAVITZの2015年新作アルバムです。今回はDark Descentからのリリースで、レーベル・カラーとは外れてはいないけど、HACAVITZファン、そしてAntimo氏によるこれまでの激烈なエクストリーム・メタルを満喫してきたファンのドギモを抜く、賛否両論必至の作品となっています。

以前に過去作品のBlood Harvestリリース・アナログ盤が入荷した時も、確かにその傾向は感じましたが、Antimo氏らしいオールドスクール・デスラッシュをルーツにしたゴリゴリ・アグレッシブな従来のHACAVITZ流ブラック・デスラッシュから、今回は劇的な深化を遂げた作風となっていて、一言で言えばプログレッシブ・デス・メタルの部類に属するタイプとなりました。アトモスフィカルな叙情パートが大半を占めて、しかもそれが素晴らしくエピックにきまっています。激烈な疾走パートも際立つので、そこもまたカッコいいのですが、以前のようなデスラッシュ土台の激烈さではなく、TRIBULATIONやNECROVATIONなどのスウェディッシュ・バンドすら彷彿させる邪悪ブラック・デス・メタル的手法に近いです。これは、スウェーデンMetal Of Death一派や、NWN!のKATECHONなどが好きな人も仰天＆大興奮のエピック・ブラック・デス・メタル・アルバムです！！

(Apr.1.2015)

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