BESTIAL SUMMONINGと並んで初期オランダ・ブラック・メタルを代表するカルト・バンドの93年1stアルバムが、オリジナル・リリースから20年の歳月を経て遂に初再発。一時はオリジナル盤CDがけっこうなプレミアも付いていましたが、虜になって完全崇拝するか、もしくは憎悪をいだくかとどちらかに二分される、これぞまさしくカルト・クラシックな永遠の初期ブラック・メタル問題作？です。

BATHORYのバイキング・サウンドを壮大に表現せずに、引きこもりサイコ・ミサンセロピックにしたようなスタイルで、演奏のグダグダさはHELLHAMMER並み。アヴァンギャルドなサイコ・エクストリーム・ミュージックに於いて突出したカルト・バンドを生み出すことの多いオランダ・ブラック・メタルらしい退廃感は、北欧ブラック/デス・メタルの凶暴と哀愁のミックスとはまるで異質で、ちょっとABSURDのローファイなたそがれにも通じるところがあるかと思います。なかなか上手く説明できませんが、退廃美なんてカッコいい言い方じゃ絶対に言い表せない、ヨーロッパの荒涼とした感触と、すさんだ精神が共鳴したような、プリミティブでアヴァンギャルドでもある唯一無比のカルト・ブラック・メタル・クラシック！！

(May.10.2015)

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