発売中！初回はバンド・メンバー直での入荷でしたが、数年かけてようやくレーベル直ルートが開通しました（と言っても、レーベル・オーナーもBORROWED TIMEのギターだった人ですが）。しかし既にレーベルもラスト・ストックだということですので、さんざん売りまくってきましたが、もしまだ入手できてない方がいましたら、今回必ず確保ください！！

当店的には正統派系新鋭バンドの中では確実にナンバーワン。個人的な想い入れも含めると、現行バンドの作品ではMIDNIGHTのSatanic Royalityと並んでベスト・リリース・オブ・ジ・イヤー2011の称号を与えたいUSミシガンのへヴィメタル・バンド BORROWED TIMEの大反響を呼んだデモCDが、Fog in the Valley 1st 7"も追加収録した6曲入りコレクションCDとなって、バンド・メンバーの運営するArcane Metal Artsが自主再発。Fog in the Valley 7"EPは出た当初から、CDでリリースの予定はないですか？と多くのお客さんから尋ねられていましたから、念願の再発CDと騒いでも怒られないでしょう。しかし、現行若手バンドによる、たかがここ1〜2年の音源で、ここまで再発リクエストの声を多く聞いたのは、今までそうはなかったと思いますので、直コンタクトも一苦労のデトロイト・シーンのバンドによる自主リリースと言う意味も含めて、2011年版デモCDも7"EPも持ってる人でも、今回の再発に躊躇する手はないと断言致します。

ミシガンのメタル・バンドは、SUPERCHRISTを中心とするシカゴのメタル・シーンとも強い繋がりを持っていて、このBORROWED TIMEは、SUPERCHRISTのPlanet MetalからCDを出していたHARBINGERやSAURONのメンバーも在籍しています。ACCEPTやSAXONなどのデトロイトでのライブのサポートを務めて、USのへヴィメタル・ファンの間で話題となり、2010年のRAVENとの共演の際に、4曲入りの1st デモをリリース。それをCDで再発したのが、大反響を呼んだ Arcane Metal Arts CDです。しかしそのCDも早々にソールドアウトとなり、このたび、Fog in the Valley 1st 7"もプラスして再発。この2012年版CDのレイアウトは、2011年バージョンとほぼ同じですが、歌詞はもちろん“Fog in the Valley” EPの2曲も加えて掲載してあります。サンクス・リストに載ってるバンドも前のCDよりちょっと増えて、F.O.A.D.デトロイト・メタル・パンクComp. LPに参加してた4バンドを中心とした極悪連中の名が揃っています。RAVENのサポートはSHITFUCKERやWASTELANDERとの共演だったし、DIAMOND HEADのサポートはANGUISHとの共演だったというのもオドロキですが、そんな極悪メタル＆パンク・シーンのど真ん中から、こんなにも切なく心に響く伝統的なへヴィメタル・サウンドが生まれてくるところに、アメリカのシーンの底力があります。恐るべし、デトロイト・メタル＆パンク！！！

それぞれの音源が入荷した時の、私達BOYのアホみたいに興奮した解説をまた使いますが、Vo.のJ. Priest氏の簡単なコメントも付け加えてみました。私達のレビューなど、いちファンのただの感想に過ぎないわけですから、演奏する当人達の発言は何よりも重みがありますし、自らが生み出す叙情的なへヴィメタル・サウンドを、NWOBHMの中でもひときわ激しかったSAVAGEを引き合いにしてるところなど、短いですが非常に興味深いコメントだと思います。


"Arcane Metal Arts" DEMO 2010

PAGAN ALTARなどを彷彿させる灰色の英国情緒漂う哀愁ナンバーで幕を開け、続くアコースティック・ギターのインスト・ナンバーでもう大体の人はノックアウトされます。しかしこんなもんでは済まされず、続いて飛び出すMANNILA ROADのNecropolisカバーから、またも叙情メランコリックなアコースティック・ギターを挟みつつ本作ラスト・ナンバーへと流れる展開は、しなやかに美しく、尚且つ力強いエピック・メタル攻勢で、もーとにかく涙チョチョギレ号泣必至の素晴らしさ！！！！！MANNILA ROADの代表的名作 Crystal Logicアルバムに収録のあの名曲カバーの後に続いても全くテンションが下がらない、まさしく必殺の哀愁旋律の応酬チューンで幕を閉じます。このラスト2曲の劇的な展開は、MANILLA ROAD, CIRITH UNGOL, BROCAS HELMなどの合衆国産叙情鋼鉄頑固一徹信者をもうならせるであろうと確信致します。GOTHAM CITYやSILVER MOUNTAINなどの北欧メタル・ファンもいっといてください。PAGAN ALTARを思わせる1曲目の哀愁灰色スロウ・ナンバーと、SATANも彷彿させるラストの必殺メロディー応酬で、NWOBHMファンも黙ってはいられないでしょう。とにかく叙情派メタル・ファンは聴かなきゃ絶対ソンします！！！！！


"Fog in the Valley" EP

このEPはWASTELANDERのギタリストがレコーディングを担当していますが、そんなSUPERCHRIST周辺人脈のせいでしょうか、A面のタイトル曲はHIGH SIPRITSのファンなどにもオススメの、NWOBHMテイスト全開ハーモニー連発メロディック・ハード・チューンでハートを鷲掴み！！このバンドはツインギターだけでなく、Vo.のハーモニーも素晴らしいのが特徴ですが、この曲は特にその甘く切ないVo.ハーモニーが際立ってます。中間部にドラマチックな展開も絡めて、BORROWED TIMEらしいUSエピックメタル的要素も感じさせる哀愁さが絶品です。そしてB面の "Midnight Tygers"もドライビンなリフがNWOBHM風味の疾走感で激渋なんですが、デモCDラストに収録の "Sailor on the Seas of Fate"を彷彿させる、フィニッシュに向かってツインギターのソロ合戦が哀愁ドラマチックに絶頂へと導く、このバンドのお得意パターンで、これも号泣レベルのカッコよさです！！！！！


「2010年デモは暗い古城のようなアンシエントな雰囲気があるけど、7"EPはMARQUIS DE SADEやSAVAGEのようなロッキンな荒々しさもある。“Fog in the Valley”はMARQUIS DE SADEにBLEAK HOUSEのエモーションを呼び起こしたようだし、そして“Midnight Tygers”は、INCUBUSがLoose and Lethalをやってるようなブリッツクリーグ・ナンバーだ！！」 (J. Priest)

(Feb.11.2018)

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