再プレス！これまでのNWNバージョンはChris Moyen氏のアートがモノクロでしたが、今回はオリジナルのTurbo Musicバージョンに近い配色で再現。でも裏ジャケがまた変わってるし、ロゴもオリジナルとは敢えて変えてるところが、コレクターにはうれしいですね。今回のプレスはブルー・スプラッター・ビニールです。

USラスヴェガスで85年に結成されたデス・メタル・バンド GOATLORDの1991年発表1stアルバムです。オリジナルは、BEHERITのリリースなどでカルト・デス/ブラック・メタル・ファンにはおなじみのドイツ Turbo Musicからリリース。現SPUN IN DARKNESSのドラマーが在籍したドゥーム・デス・メタルのパイオニアの一つとされているバンドで、初代シンガーの故Ace Still氏はGOATLORDと並行して、よりリチュアルなドラッグ・ドゥーム・メタル・バンドのDOOM SNAKE CULTもやっていました。しかし、GOATLORDはあくまでもデス・メタルの土台が揺るぎないロウ・ノイジーなサウンドが特徴で、且つ、スロウネスが殺伐な雰囲気を醸し出しているので、ドゥーム・デス・ファンから初期のオブスキュア・ブラック・メタル・マニアにまでカルトな人気を誇ります。CELTIC FROST型のスロウ・パートとズグズグ刻みのロウ・デスラッシュ・パートを繰り返し、曲展開など全く考えずにつなぎ合わせたような楽曲が狂気を高めています。さらにこの1stアルバムは、あの非人間的なドラミングが恐ろしく冷たくおっかない音になっていて、よりこの作品のカルトな魅力を引き立たせています。

ギタリストのJoe Frankulinは後にUSで有名なスナッフ・フィルム・ウェブサイト Blood Showsを立ち上げて、2015年には遂にその殺人妄想を実現してしまい、隣人を殺害したうえ当時8歳のその家の男の子まで拉致し殺害。通報により警官が到着する直前に拳銃自殺してしまいました。こういった狂気のセンスがGOATLORDの音楽性にもにじみ出ているように思います。

(July.4.2023)

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