2015〜2016年の短期間のみ活動したオランダのブラック・メタル・バンドが残した2本のデモをまとめたCDが、NWNとNew Era Productionsにより共同でリリース。両レーベルの特色を持ち合わせつつも、極めてアクの強いサウンドなので、当初から期間限定プロジェクトだったのかとも思います。

ジャケットから醸し出してる南欧ブラック・メタル風味のオカルト性はNWNバンドらしくもあり、しかしながらダッチ・ブラック・メタルのカルトなプリミティブ性もあって、ハッキリ言って非常にとっつきにくいバランスの悪さです。1stデモのリズムはサンプリングなので、教会風オルガンやSEなどの装飾を多く加えたオカルト調ブラック・メタルと非人間的なビートの相性は悪く、しかもリフはウルトラ・キャッチー。これだけだと幼稚な初心者ブラック・メタルで終わるんだけど、そこに乗るギター・プレイがなかなかに正統派エピックで、ギターソロが被さるといきなりKING DIAMOND風に。2ndデモはカナダ人のドラマーが参加してグッとNECROMANTIA（カバーもやってる）的ブラック・メタルに近づいてますが、こうなると1stデモのあの相性最悪の非人間的オカルト・ブラック・メタルもちょっとクセになってきてリピートしてしまう。完全なるマニア向けですが、今後のリリースはないですし、オカルト・ブラック・メタル・ファンはこれ1枚ならけっこう楽しめると思います。

(Dec.13.2023)

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